第壱話 絶望の果てに

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雄太郎は回りくどいその男に苛立ちを募らせた 『アハ…ハ… じゃあ手短にお話しまショウカネ。 雄太郎クン、キミは… もう一度、お母さんに…会いたいんじゃないかい?』 『…!お前…何だ!?』 男の口から出た言葉に雄太郎は驚きを隠せない 『…ここから先の話を信じるか信じないかは君次第。私はお母さんの魂を、一時的にこちらへ呼び戻す事ができるんデス』 現実離れしたラフィットの話を、あからさまに疑った 『…新手の霊感商法かなんかだろ。帰れ、くだらねぇ』 『まぁまぁ、そう邪険にせず最後まで聞いてくだサイ。 今私たちの居るこの世は現世、お母さんのいるあの世は黄泉。 そして二つの世を繋ぐ三途の川。 なんとなく聞いたことはあるでショウ?』 『…』 『この三途の川は現世からの一方通行、つまりあの世から現世に戻って来ることは基本的に不可能なのデス』 『…』 『…ですが、我々シュラはその不可能を可能する、特殊な能力を有していマス。 とは言えその能力にも制限があるので、霊魂を呼び戻していられるのは、ほんのわずかな時間だけデスガ』
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