第壱話 絶望の果てに

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でも…さ 辛ぇんだわ、その優しさが これから一人で生きてかなきゃなんねぇ 叱ってくれる人はもういねぇ 守ってくれる人はもういねぇ したらやっぱ、いつまでも甘えてちゃいけねぇじゃんか だから今は、誰にも弱いとこ見せらんねぇ じゃないともう、自分の足で立てなくなっちまう気がすんだ それは身寄りのねぇオレにとっちゃ、死ぬのと同じことだから それにさ 恐ぇんだ、オレ自身が 一家団欒、楽しげなお前達家族を見て嫉妬しちまいそうで 自分は不幸なんだって 寂しいって思っちまいそうで 親友の幸せまで妬んだら…最低過ぎるっしょ? 今はそうならない自信がねぇ なによりそんな理由で、お前っつー大事な友達まで失うことが1番怖ぇから だからその気持ちだけ、ありがたくもらっとくわ
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