序章~最果ての記憶~

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  「周辺半径10kmをくまなく探せっ!状態はどうなっていても構わんっ!」   「ハッ!」   ジョゼ(おいおい…。この無数の死体の中から一人の死体を探せってか? しかも…、こんなバラバラになってたら特徴もクソもねえよ。)   ケリー「なあジョゼ。」   ジョゼ「んん?」   ケリー「コレ、俺がもってるベルトの柄に似てねえか?」   ジョゼ「え? それベルトじゃないの?」   ケリー「いや、多分人の腸かなんかだろう。そこら中にたくさん飛び散ってるぜ。」   ジョゼ「…。お前、もうそのベルトつけてくんなよ。」   ケリー「おいっ!何あきれてんだよっ!冗談だって!」   ジョゼ「…。」               ジョゼ(お上も物好きだな。たかが一兵士の死体をお持ち帰りしろだなんて、な。息子か親族なのかね? しかも…。)     (………っ。)   (………っ!!)   ジョゼ(2師団も動員してこの様子じゃあ、そうそう見つからねえよな。明日は久しぶりに休みだったってのに…、休日出勤とはね。…あー、でも明日のミサはサボれるからいいか。)   ケリー「この調子じゃっ、俺らの体の心配なんてっ、お上は考えてくれてそうにないよなっ。」   ジョゼ(考える事は皆一緒だな。) ジョゼ「ああ。みたいだね。」  
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