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ヴァレアは主人に一言ありがとう、と返して箱を自分の持ちやすい形になおした。
ヴァレア
「じゃあ、私は感謝祭の練習があるからもう行くね。先生待たせると悪いから…。」
その言葉にハゲ頭は
ハゲ頭
「よしっ、俺も行こう!」
と勢いこんだが、友人二人にまた頭をペチンと叩かれて止められた。ふふっ、とヴァレアがおかしそうに笑う。
ゲン
「じゃあヴァレアちゃん。感謝祭がんばんなさいよね。おじさんも必ず見にいくさー。」
ヴァレア
「ありがとう!じゃあ、行ってきます!」
お辞儀をして店からヴァレアは去って行った。去りながらもヴァレアはいつまでもこちらに笑顔で手を振っている。
ゲン
「しっかし…。変わったなぁ。」
主人は振っていた手を再び作業に戻して、在庫の整理を始める。
ハゲ頭
「だあるよ。島に来た時はあんなに小っさかったのにさー、今じゃあんな綺麗な姉ちゃんになってねえ。」
返事した二人を振り返ると、だらしのない顔でまだ手を振り続けていた。勿論、その先の視界にヴァレアの姿は見えない。
ゲン
「えー、ハゲと鉢巻きのおじさんがいつまでも…。気色悪いやぁ手ぇ下ろさんね。」
呆れて主人が言う。
ゲン
「いや、だからさ、この島に来た時は無口で暗い子だったやし? よくこんなに変われたもんだなあと思ってねぇ。」
鉢巻き
「やっぱ男ができたからじゃないねぇ?」
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