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鉢巻きが口にした時、最後まで手を振っていたハゲ頭は、とても悲しそうな顔をした。
ハゲ頭
「はあ…。やっぱアレは男だよねえ。俺、結構狙ってたのになぁ…。」
ゲン
「えー、やーはよ…。あんな若い娘とくっつく訳ないやっし。」
鉢巻き
「だからお前未だに独り身なわけさ。早くもっと堅実にいい人見つけれー。」
ハゲ頭
「それができたら苦労はしないさ。」
哀愁たっぷりの表情で彼等に言ったその面構えは、何とも言えず面白い。結構真剣な話をしてたハズなのに友人二人は吹き出して笑ってしまった。ハゲ頭は自分の本当の部分を笑われ憤慨しているが、二人は手を叩いて笑っている。
店内では先程からBGMのように流れているラジオの放送で、視聴者にまたどこかの国で戦争が起こった旨を伝えているのだが、
この島には関係ない。
感謝祭の準備は急ピッチで行われていた。祭りに出る人々は、自分の出す露店の見映えがよくなるようにと色々な飾りをつけたり、電飾を増やしたりと忙しそうである。今、その内の一つの店が電気が通っているか確認したのだろうか。一瞬淡い光を灯してすぐに消えた。
そしてそれらの中心には舞台が数人により作られていた。自分が思っていたよりもかなり大きめだ。今夜はこんな大きな舞台で踊るんだ。そう思うと少し照れくさい。
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