Ⅰ ずっとあなたが好きだった

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「うげー!お前タバコなんて吸うの?」 バイトが早番で終わり帰り道、駅の近くの自動販売機でタバコを買っていたら、ふいに後ろから声が聞こえた。 懐かしい声。 この声を一度も忘れた事はなかった。 あたしは真新しいセブンスターの箱を取り出し口から取り、声のした後ろに(まさかね…)と振り向いた。 「てゆっかー、セブンスターなんてお前男らしすぎ!」 ゲラゲラ笑っている。 ほんのり茶色のサラサラの紙の毛。 細いタレ目の目は笑うとなくなっていた。 「はぁ?アンタいきなり失礼じゃね?」 あたしはあきれながらも何故かつられて笑ってしまっていた。 内心は全身が心臓になってしまったかのようにバクバク鳴っていた。 もう何年も会っていない。 もう会う事がないと思っていた「アイツ」が、こんなに近くで笑ってる。 会えなくなって何年たったのか分からないけど、アイツは全く不思議なくらい変わって いなかった。
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