記憶から消えた、幻の物語。

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「あー…もったいない」 寝起きで考えたからかな。 ぼんやりとは覚えているんだけど、大事なオチの部分が全く出てこない。 「確か、悪い奴に捕まって見世物にされる女の子がいて、彼女に一目惚れした少年が……」 何気なく窓の外を見てみる。 学校に遅刻しそうなのか、自転車を必死で漕ぐ男の子と、その後ろに乗りしっかり彼に掴まる女の子が眼下を走っていった。 「青春、だねぇ」 ……何か幸せな結末の話でも、書いてみますか。
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