明日の為に昨日を捨てて、自由の為に故郷を捨てた。

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「二人で一緒に」 突然、バレッタの小さな声が聞こえた。 小さいけれど、何だか力強い声が。 「自由を、掴むために」 ばさっ 今度は羽音。 大きな鳥が空を優雅に羽ばたく、そんな感じの音がした。 「バレッタ、お前」 ばさっ ばさっ 音は何度も何度も響く。 「やめろ!貴様は鑑賞用のペットなんだぞ!羽が散ったら、毛並みが悪くなったら、世話係の私が打ち首にぃぃぃ」 彼女の自由を奪った張本人が、彼女の意思で、本来の役目を果たそうとしていた。 鳥が飛ぶのが当たり前のように、有翼人が飛ぶのもまた……当たり前の事なんだ。 「……ちょっと、飛ばすよ。しっかり私に掴まれてて」 こんなに生き生きした彼女を見るのは初めてで、言ってる事も何処か変で。 俺は、つい今の状況も忘れて笑ってしまった。 「くそっ、待ちやがれ!貴様ら、絶対ぶっ殺し……」 どんどん声が遠くなっていく。 どんどん奴らが豆粒みたいに小さくなっていく。 「重く、ないか?」 ばさっ ばさっ 男を一人抱えているのに、バレッタは辛そうな顔もせず、寧ろ楽しそうに羽ばたいていた。 「大丈夫。何処までも。飛べる気分」 ばさっ ばさっ ばさっ
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