第一章『平和な世界と不安な毎日』

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 それにそうすれば仕事もしなくて良いだろうし、後は家に帰って一息ついて、そして……。  そして僕はどうするのだろうか?。  落ち着いて、仕事が無い現実にぶつかるのか?。  そうしたらまた仕事を探したら良いのか?。  結局、どこに行っても同じ事だ、僕はこんなだから、必要とされない。  何が今必要か分かっていないから、必要とされない。 「あ、あの」  僕は力強い静寂から、なんとか這い出る。 「……?」  鋭い瞳に少しずつ、自分から刺さりに行く。 「教えてください」  そう吐き出して、彼女の様子を伺う。 「…………」  暫く硬直したまま睨み合って、その後に彼女が動いた。 「そうか」  口元がそう紡いで、ニヤリと歪む。  瞬間、僕の脳裏には疑問が浮かんでいた。  これが、僕の望んだものなのか、と?。  彼女の笑みは決して優しくは無かった、むしろ面白がる様な、邪悪さすら感じるものだったのだ。 「後悔するなよ?」  続けてそう確認されて、既に少し後悔する。  けれど現状を変えるには、ここで戻っても意味が無い。 「えぇ」  苦し紛れに同意して、何とかポーズを保つ。  そうして僕は、普通の裏側に潜り込んだ。
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