第一章『平和な世界と不安な毎日』

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 果たしてこの人はそれが面白いと思っているのだろうか?。  尋ねられた事に対して、仕方なく僕は笑って反した。 「ははは……」  酷くぎこちなくなったが仕方ない。  仕方なく笑ったのだから。 「君は……」  反対に彼女は全く笑っていなかった。  すでに面接が始まっているとしたら、これはプラスだろうかマイナスだろうか?。 「あいつとは馬が合わないだろうな、いやなに、多分だが」  彼女は左手で自分の顎を触りながら、そう僕に告げた。  あいつ、というのが誰を指すのかは分かりかねた。  ただその後のキーワードは、僕を先行き不安にさせるのには十分な威力をもっていた。  目が慣れてきて、彼女の姿をはっきりと確認出来た。  髪型はショートで、色は黒。  胸を見ると、社長、と書かれた名札が付けられていたが、他に特徴的な見た目は無い、  ただ社長であるというのその表現は、露骨でギャグなのか本気なのか決めかねる。 「しかし安心したまえ、あいつと馬が合う奴になんて今だに見たことがない」  要するにその人物とは誰も仲良く出来ていないということだろう。  全くもって安心出来ない、職場の情報だった。
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