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「もし何かあったらすぐ家に来な?
逃げていいんだよ。
警察にも相談出来るじゃん。
いっぱい解決法があるんだよ。
でも死んじゃダメ。
後悔してからじゃ遅いんだから。」
鴉の意見が心に染み渡る。
色んな解決策があった。
死んだらそこで負け。
やり直せない。
リセットボタンを押して
スタートに戻ることすら出来ない。
沙新は5年後を想像した。
全く想像出来ない。
未来には沢山の道が続いている気がした。
電車は決められたルートしか通れないが
人は違う。
未来がそれぞれある。
生きる事は辛いだけでも
楽しいだけでもない。
想像もしてない未来を開くかは自分次第。
いつの間にか自殺願望は消えた。
「ありがと」
沙新は呟いた。
鴉は笑った。
つられて沙新も笑った。
幸せの第一歩を歩き始めた気がした。
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