沙新-さあら-

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  私は踏切に立っていた。 踏切に立ち一歩も動かない私を 奇怪な目や好奇の目で眺める人達。 止める勇気も 推す勇気もないちっぽけな人間。 そんな人間を私は辞める。 暴力を振るう父親。 自分の思い通りにしないと気が済まない大人気ない父親。 人の痛みを分からない父親。 思い出すのは嫌な父親ばかり。 暴力は犯罪だ。 暴力で解決できるものなんて一つもない。 力でねじ伏せて何の効果もない。
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