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面と向かって、そんな気恥ずかしい台詞を言われては女の子なら、誰だって意識してしまう。
「平助に言われてもなぁ…逆に行った相手が冷静に判断しそう…」
「な…っ!!どういう意味だよぱっつぁん!」
「そのまんまの意味~」
ムキになる藤堂に舌を出してからかう永倉。
赤くなったまま俯く弥生に、原田が声をかけた。
「…どした早崎??…まさかお前、平助に惚れちまったか??」
『ち、違っ!!これは別に…!!!』
「平助は立派な事に女にしか、手を出さねぇぜ??」
ニヤニヤと笑いながらますます赤くなる弥生をからかう。
言い合いをしていた藤堂と永倉が、不思議そうに原田と弥生を見た。
「左之さんまで俺をからかうわけ…??」
「だって早崎がよぉ」
『こ、小姓っ、頑張るぞー!!』
これ以上、恥ずかしい気持ちになりたくないと、話題を変えるように突然、勢いよく立ち上がった。
バシャ…ッ
『………………』
「……」
水のような音が自分の図上から響く。続くように碗が床に落ちる音もした。しかも髪の毛や顔、服にまで滴っていた。それに何やら…味噌くさい…。
振り返れば、いつの間に戻ってきたのか沖田がいたのだ。
しばらく弥生が凝視していると、眉を寄せて言った。
「……戻って注いできて」
『他に言う事があんでしょ!!!謝れっての!!』
「…臭…」
『………!!!?』
明らかに嫌な顔で口元を押さえる。確かに臭いが、どことなくショックを受けた。
「おい総司っ!大丈夫か??早崎」
「早崎くん、片付けは我々でしておくから…気にせず着替えてきなさい。源さん拭くものをお願いしても??」
「はい。すぐに」
近藤の言葉に周りはすぐにきびきびと片付け始める。ただし、沖田だけは自分の席に戻りお茶を飲み始めた。
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