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見当違いの言葉に沖田は呆れた。
「…源さんに聞いたぞ。お前なぁ…嫌ならはっきり言え。…また同じような事にでもなったら」
「なるわけないでしょう。あんなおん…………あんな子供に」
ハッと気づいた。
別に今、言っても問題はないのではないかと…。
「土方さん…」
「……」
しかし、土方が振り返ると言葉が続かない。
…よく考えれば、女一人、男装までして入って来ているのだ…余程の理由がない限り、そんな事はしない。
「…なんだよ、黙り込みやがって…」
「いえ……あ…あの子が役目を果たしたら、斬るんですか??」
「様子を見る」
沖田は自分の袴をキュッと握った。
…-
一方、弥生を連れた芹沢と平山は、行灯も灯さず、真っ暗な道を歩いていた。
暗がりの中、うっすらと見える景色は、暗い色をした家ばかりだった。
『………』
(何よここ…。民家??芹沢さんって、島原だっけ??…そんなとこが好きなんじゃないの…?!)
疑わしげに芹沢と平山の背中を見つめる。
すると、とある一軒家の前で足を止めた。
「…これから、小姓の仕事を教える。私の命令は絶対だ。いいな…??」
『は、はい…』
唾を飲み込むと芹沢の言葉に頷いた。
『あの…これから何するの…??』
「…軍資金の徴収だ。あんなまずい飯を食べたんだ…飲み直す為の金がいる」
『なっ…!まずいって何?!源さんがせっかく作ってくれたご飯を』
ヒュッ…!
今にも掴みかかりそうになった弥生の額に、芹沢の愛用している鉄扇が向けられた。
思わず、身を固くしてしまう。
「あんな家畜が食うような飯…近藤共の舌にしか、味はわからんだろう……お前も同類か…??」
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