ヤツは突然現れた

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  出待ちの女の子達が移動用のバンを取り囲む。 何時もの光景。 「チャミ、早く。」 足早に車に向かったジュンスは後ろから来ていた末っ子に声をかけた。 「分かってます。」 言われたチャンミンは涼しい顔でファンの手をかわしながら歩いてきた。 もみくちゃに近い状態でやっと車にたどり着いたジュンスが乗り込もうとした時、横から伸びてきた手に不意に腕を捕まれる。 「?!。」 身動き出来ない程の強さと、驚きにジュンスはファンの方に視線をやった。 「シア・ジュンス!」 悲鳴のような女の子達の歓声の中に野太い声が交ざる。 「せ、先輩?!。」 がっちりした体格にスポーツ刈りの男で女の子達の中にいてもかなり浮いていた。 しかしジュンスには確かに見覚えのある顔。 しっかりと自分を捕まえている相手が飲み屋や飯屋で遭遇したのではなく、出待ちの集団の中にいることにジュンスはぽかんと口を開けた。 「ヒョン、早く乗って?邪魔。」 笑顔で自分を引き止める先輩に、色々尋ねたい事は山盛りだったが、後ろから来たチャンミンにぐいっと車に押し込まれた。  
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