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「やぁ、ジュンス。今日も可愛いな!。」
「ホドン先輩、どうしてここに?。」
「この間はゆっくり話せなかったからな。あ、これ、プレゼントだ。」
チャンミンが二人に近づいていくと、弾んだ話し声が聞こえてきた。
ジュンスが先輩と呼んだ相手はやはり、先日、出待ちの中にいた男だった。
プレゼントだと言って真っ赤な薔薇の花束を差し出している。
「うわ、オレ花束もらうの初めて。ありがとう先輩!。」
躊躇いもなくうけとり尚且つ嬉しさにエンジェルスマイル全開のジュンスに、チャンミンは小さく息をつく。
「ヒョン、早く帰らないとアイスが溶けますよ?。」
一応、年上二人に失礼が無い程度の声音で話し掛けたチャンミンにジュンスがはっとしてコンビニの袋を手に取る。
「本当だ!。」
結露して柔らかくなりはじめたアイスのパッケージにジュンスが慌てる。
「すみません、明日もはやいので失礼します。」
すかさずチャンミンは二人の間に入り愛想笑いと会釈で牽制して、ジュンスの手を掴むと歩きだした。
「ごめんなさい、先輩!。また今度!。」
振り返りながら手を振るジュンスに、("また"なんかあってたまるか)とチャンミンは足を速める。
「またな!ジュンス!。おやすみ!。」
満面の笑みでテンション高く両手を振っている先輩は、チャンミンとジュンスがエレベーターの中に消えるまで叫び続けていた。
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