盲目の天使【モウモクノテンシ】

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それは驚いた。 心臓が飛び出しそうなほど驚いた。 その証拠に、ほら声すらも出ない…。 パクパクと言葉を語らず口先だけが動く。 「…驚かせたか…?」 「ア…う…」 いったいいつからいたのだろうか? 気配など微塵も感じなかったのに この目は形あるものを映さない代わりに気配を映す。そのおかげで物にぶつかったりすることもなく日々を過ごすことができていたのだが… このプリーストだと思われる男の気配はまったくと言っていいほど感じなかった… まるで心がない様な…そんな感覚を思わせる。
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