ある種の神童

2/11
前へ
/193ページ
次へ
「じゃあ遥斗、莉紗…そろそろ出発するから早くしなさ~い。」 「あぁ…分かってるって、ほら莉紗も早く支度してこいよ??」 「もぉ~…私だってもう少しで大人なんだからそろそろ子供扱いするのやめてよね??」 あっ…どうも白遥斗です、今は妹の莉紗と母さんとで親父の墓参りをしに行くとこです。 燦々と太陽が照りつける季節に何故墓参りかというと、実は今日は俺の親父の命日なんです…。 だからちょっとだけ暗い雰囲気になるかもだけど気にしないでね…。 …――― 「うひゃゃぅっほぉーーー!!」 馬鹿みたいにテンションが高いのは母さんだ、頼むからもっと母親らしく振る舞って欲しい。 しかも何か暗い雰囲気どころかいつもよりテンション高いのは何故だ。 「…。」 「吐きそ…。」 車に乗って揺られる事3時間半、外はまさにオーシャンビューというに相応しい風景。 しかし車に酔った俺と莉紗にはその風景を楽しむ余裕なんて、1㎎も持ち合わせていなかった…。 「母さん…あんたの元気の源はいったい何なんだ。」 「プロテイン。」 胸にPと書いてあるポロシャツを着て、大胸筋ドラムを叩きまくる芸人みたいな事を言わないでくれ…。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

457人が本棚に入れています
本棚に追加