457人が本棚に入れています
本棚に追加
"俺の親父は神様だった。"
何も知らない人に対してこんな話をしても、大抵は頭が変か、それとも嘘つきかのどちらかにしか思われないだろう。
かくいう俺にとってももちろんこれは信じ難い事実であった、面白くもない冗談で済ましたかった、だが事実だという事に悩み苦しんだ。
「お兄ちゃん、そんなところでサボってないでお墓の手入れ手伝ってよ~!!」
「おぉ、悪い悪い今やるよ。」
でもいつの間にかそれは苦しくなくなっていた、むしろそこに温もりを感じていた。
その温もりに何度も救われた、何度も何度も何度も………俺は救われ続けた。
でも俺は温もりを救えなかった、いや、救えたのかもしれない……それは本人にしか分からない。
「親父、元気かな…。」
「お兄ちゃん、お父さんは多分空の向こうで元気にやってるよ♪」
「あぁ…そうだな。」
結局親父が消えたあの日以来、一度も会ったことも見たことも音沙汰もない。
それにつけて俺が親父を殺したとまでは言わないが、だが俺が親父消失の一因となったのは間違いないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!