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少年が眠る部屋は、斎藤が使っている部屋。任務が忙しくて部屋に帰る事がほぼないから、こういう時に役立つ。 「私の袴で大丈夫かしら」 手に持っているのは数着しか持っていない、ある意味貴重な晴夜の袴。 彼を助けたのは永倉で、その本人がこれで大丈夫と言った。だから持ってきたが、普通に考えて小さいに決まっている。 大きさが同じくらいなら、十代後半だろう。そんな年齢で晴夜と同じ体型のはずがない。 そんな男性がこの世にいるというのなら、逆に見てみたいくらいだと思った。 「これで駄目なら甘味屋の後で蕎麦屋ね」 小さく笑いながら斎藤の部屋を目指す姿は、端から見れば怖いだろう。自覚はある。 部屋の前にたどり着くと、意味がないと分かっていても声をかける。 「入りますよー」 気の抜ける声と言葉をかけながら、部屋の中に入った。一応、眠っていた場合は起こさないようにと気を遣ったつもりなのだが。 「やっぱり寝てる」 穏やかな寝息が聞こえてきて、流石の晴夜だって少し呆れてしまう。 それにしても、どこの誰かも分からない人を連れてくるなんて、永倉も沖田もお人よしだ。 「んー、確かに新八がいうように女顔ね」 目を閉じているからか、少年にしては長い睫毛が余計に彼を女に見せる。 そんな彼の頬に走る痛々しい切り傷。彼は何かに追われていたのだろうか。
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