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あかい 赤い 赫い 紅い月
完璧な真円が少しだけ欠けてしまった あかい月
仄かにけれど視る者の瞳には燦然と輝く 赤い月
一瞬でも瞳を逸らしてしまったら消えてしまいそうな 赫い月
暗くて昏い流れ出たばかりの血のような 紅い月
欲しくて欲しくてたまらない
決して届かない 鮮血の如き君
腕を伸ばして掌で光を掴む
ゆっくりとひろげた掌には何も残らない
何もない掌は所在なくてやがて落ちた
暗い夜空を仰ぎ見る
そこには君だけが耀いて
諦めてしまった僕に光を投げ掛ける
だのに僕は君に魅せられて
また君に手を伸ばす
手に入れられる訳ではないのに
光の欠片でさえ掴める訳ではないのに
性懲りもなく手を伸ばす僕が愚かしい
けれどそれを嘲笑う人もいないのさ
だから僕は手を伸ばし続けている
決して手に入らないことが分かりながら
諦めても諦めきれずに
性懲りもなく
手を伸ばす
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