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ガバッ!
「……っっ!!!」
掛かっていた布団を跳ね飛ばし、思い切りベッドから飛び起きる。
じっとりと背中を濡らす汗が気持ち悪い。
だがそんなことは気にせず、慌てて辺りを見渡した俺の視界に入ってきたのは、勉強道具などが散らかった床に、ベッドから全貌を拝む事の出来る小さな部屋。
この部屋唯一の開け放たれた窓から時折吹く風が、寝ぐせのついた髪を優しく撫でていく。
「……ハァ。何だ「夢」か。」
ここが自分の部屋のベッドの上と認識できた俺は、盛大にため息を1つついた。
最近は「あの夢」を見ることは無かったんだが……何かの予兆か?
ギシッ……ギシッ……
寝ぐせで爆発している頭をかきながらそんな事を考えていると、廊下に続く扉の向こうから、等間隔に床を軋ませる足音が聞こえてきた。
……噂をすればってやつか。どうせまた「アイツ」だろぅ。
あ、ちなみにこの部屋二階ね?
ドガアァァンッ!!!
「カイのバカ。さっさと起きなさいよ。」
「むぉっ!?」
すると、扉を普通に押しただけでは絶対に鳴らない爆音と共に、本日の俺の安眠を妨げた「元凶」が部屋へと入り……なだれ込んできた。
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