~prologue~

4/17
前へ
/433ページ
次へ
……………………………… ガバッ! 「……っっ!!!」 掛かっていた布団を跳ね飛ばし、思い切りベッドから飛び起きる。 じっとりと背中を濡らす汗が気持ち悪い。 だがそんなことは気にせず、慌てて辺りを見渡した俺の視界に入ってきたのは、勉強道具などが散らかった床に、ベッドから全貌を拝む事の出来る小さな部屋。 この部屋唯一の開け放たれた窓から時折吹く風が、寝ぐせのついた髪を優しく撫でていく。 「……ハァ。何だ「夢」か。」 ここが自分の部屋のベッドの上と認識できた俺は、盛大にため息を1つついた。 最近は「あの夢」を見ることは無かったんだが……何かの予兆か? ギシッ……ギシッ…… 寝ぐせで爆発している頭をかきながらそんな事を考えていると、廊下に続く扉の向こうから、等間隔に床を軋ませる足音が聞こえてきた。 ……噂をすればってやつか。どうせまた「アイツ」だろぅ。 あ、ちなみにこの部屋二階ね? ドガアァァンッ!!! 「カイのバカ。さっさと起きなさいよ。」 「むぉっ!?」 すると、扉を普通に押しただけでは絶対に鳴らない爆音と共に、本日の俺の安眠を妨げた「元凶」が部屋へと入り……なだれ込んできた。
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1251人が本棚に入れています
本棚に追加