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☆
一戸建てにありがちなわりと大きめのリビングルーム。
庭に続くガラス戸から入る朝日が、その中央に置かれたテーブルと椅子や、周りの家具を明るく浮かび上がらせている。
「やっぱりダメ……まったく、だらしないわね。」
その椅子の中の1つに、二階から片足をつまんで引きずってきた少年を座らせた少女は、独り言のようにそう呟いた。
水南にそう毒づかれた少年はというと、だらしなく口を開け完全に意識を失っている。
これは……気絶しているのだろうか?
しかし水南はその少年をまるで気にする事なく反対側の椅子につくと、何ともない風に後ろに置かれたテレビのスイッチを入れた。
~小鳥のさえずりが聞こえる、のんびりした時間が数分経過~
ガチャッ
「カイ君~おっはよぉ~!!」
するとそのまったりとした空間に、突如としてこれまたのんびりした可愛らしい女子の声が響く。
「朝からうるさいわね。朝食の準備はどうしたの花咲木(ハナサキ)?」
それまでテレビに見入っていた水南に花咲木と呼ばれた新たな少女は、水南を見つけるとニッコリと微笑んだ。
「あ~みーちゃんもおはょー!朝ご飯出来てるから、みんなで食べよ?」
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