落ちこぼれと召喚

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少女はとてつもなく今、とてつもなく憂鬱だ。 理由、そんな事は知れている。 今日は使い魔召喚の日だからだ。 いや、普段の授業日であったとしても、憂鬱なのには変わりは無いが。 普通の生徒ならば、今日という日をかなりの間、待ち焦がれていた事だろうが、少女はそうではない。 なぜなら少女は全く魔法を使用する事は出来ない。 魔力が無い訳では無い。一応使用する事は可能だ。 しかし、だ。何故か魔法は常に失敗してしまう。 爆発、炎上、氷結、水浸し、消滅、理解しがたい効果ばかり出てくる。 炎の魔法を使用しようとすれば、炎は付かず別の効果が起きてしまう。 そのため、まともな魔法は一度もつかえた事は無い。 そして彼女は落ちこぼれと呼ばれている。 物心ついた時から、もう魔法は使えずにいたのだ。 周りからは塵と蔑まれ、まともな暮らしなど、した事は無い。
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