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北方の国シルバーヌス
この国で最も美しいのが銀氷の女王の異名の持ち主シルビア女王
真珠のような
白い肌に
白銀の髪と瞳の美しい女王だ
しかし、月神のように慈愛と慈悲で
民に接している事も有れば、氷のように冷ややかな眼差しで見やり
冷酷に接して遠ざける様な事も有り
娘達ですら近寄りがたい存在だった。
王城オーラ城を治める女王には娘がいて
アルマ王女
リュシウス王女
グレイス王女
ドーラ王女
セシル王女
パール王女
ユレイア王女
の七人の子供達がいる。
今回、隣国に嫁ぐのは、四女のアルマ王女で、
正式名をアステルキア・イルマーニ・オーラ・シルビアーナというが
隣国に嫁ぐため
名前はアステルキアだけになる。
「アルマ様!お城が見えて参りましたよ!とても大きくて立派なお城ですね~」
『その様ですわね』
馬車内でくつろいでいたアルマは
白銀の長い髪を背中に流し、読んでいた書物を膝の上に置き
先程から隣で窓越しに外を眺めては少女の様にはしゃいでいる乳母のカリサを見やり呆れた様に吐息を吐いた。
カリサはアルマに隣国からの婚姻話が持ち込まれた時、大変喜んだのだ。
隣国の王は、まだ戴冠して間の無い歳若い王だと聞く。
おまけに王は頭が良く、一生懸命に政治に取り組み、民の声を真剣に聞いて公正な判断をしてくれる良い王だと聞く
(アルマ様にもきっと良い事に違い無いわ)
本人の知らない間に話はトントン拍子に進められ、無理やり 馬車に乗せられて
気がついた時には
隣国の地を馬車に揺られ、
ようやく婚姻話を切り出されたアルマは諦めて、読書をし
カリサは窓越しに外を眺めてははしゃぎ今にいたる。
国中お祭り騒ぎの中
馬車はゆっくりとこの国の王城の中に入って行った。
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