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男は嘆いた。
男は悔やんだ。
何故こうなったのかと。
何がいけなかったのかと。
ただ、自分を理解してくれる唯一人の女(ひと)の側にいたいと。
願っただけなのに。
目の前には、骸となったその愛しい人。
愛しい人の返り血を浴び、自らの手が愛しい人の血で染まっていくのが耐えられなかった。
呪いの言葉が口から出る。
激しい怒りは憎むべき怨敵に向けられる。
最後に、男は悲鳴とも咆哮ともとれる大声をあげた───。
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