二章 出会いは突然に、再開は偶然に

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 無口であることもあるが、その内面は普通の女の子であることにレイスはすでに気が付いている。とてもではないが女王が務まるとは思えない。  言い方は悪いが器が小さい。  ただ、案外周囲には恵まれるかもしれないな、とは思ったりする。 「まあ、未来のことなんてわからないしな」  誤魔化すように口にするレイス。 「ねえ、そろそろ行かない?」  角砂糖を砕きながら遊んでいたフィリーであったが、いい加減飽きたのか、話題が切れたのを頃合いと見て、口を挟む。 「んっ、そうだな」  同意してレイスは席を立った。そろそろ結構いい時間が経っている。あまり遅くなるのも歓迎できないだろう。 「どこか行くの?」  そういえばメイフェアには今のレイスの状況を伝えていなかったことを思い出した。
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