二章 出会いは突然に、再開は偶然に

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「そろそろ陛下もあなたの行動に不安を持っています。  あなたは陛下の唯一の子とは言え、このような放蕩が続くようであれば……」 「ゴーダの説教はいつも長くてかなわんな。  まあ、いい。言いたいことは分かっている。王都に戻るぞ」 「そのような……は?」  予想外なロウウィンの言葉に、ゴーダは言葉を詰まらせる。二の句を告げず、口をパクパクさせていた。 「残る用事を済ませたらすぐに王都に向かうことにしよう。  街の入り口で待っていてくれ。今日の夕方ぐらいに行くと思う」 「か、かしこまりました」  慌てて一礼してドアの前から立ち去る執事。  ロウウィンの目にはいつになく気力が満ちていた。
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