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へっ?
オレ?
突然呼び掛けられたじろくオレに、藍那はこう言った。
「ご飯まだなんでしょ?」
そりゃまだだが。
でなきゃ長蛇の列に並んでなんかいないさ。
「私と一緒に食べなさい!」
いきなりの誘いに
「へっ?」
オレが驚いた顔をしていると、藍那は耳まで真っ赤に染めて口早に言う。
「か、勘違いしないでよ!アンタは私と勝負する為に、万全なコンディションでいて貰いたいだけなんだからっ!だから学食なんかじゃなく、私のお弁当を食べなさいっ」
また勝負ですか……。
「だから、それは勘違いだって……ってあれ?」
オレは答えながら違和感を感じた。
いや、違和感どころではない。
それは教室で感じたものと同じだ。
恐る恐る後ろを振り向くと……
嫉妬と殺意に満ちた学生達が、今にも襲いかかろうとしていた。
「あは、あはははは……」
オレは恐怖に駆られ
「ご、ごめんなさぁ~い!!!!!!」
「ちょっ、は、肇!?」
藍那の手を掴み、脱兎の如く逃げ去ったのであった。
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