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藍那を引っ張りながら駆け抜け、裏庭までやってきた。
辺りには誰もいない。
この時間は皆、昼飯に夢中なのだろう。
「いったいどーしたって言うのよ?」
何が起こったのかわからなそうにオレを問い詰める。
「どうもこうもあるかっ!お前はオレを殺す気か?」
藍那は意味が分からなそうに首を傾ける。
全く自分が何をしたのか気付いてないらしい。
「……というか、いつまで手握ってるのよ」
ジロッとオレの顔を見ながら言う。
「あっ!悪ぃ」
オレは慌てて手を離すと
「別に……悪くないけど」
と小声で呟いた。
「何か言ったか?」
「別に何でもないわよ、バカ!」
と急に怒りだした。
何なんだよ、一体?
急に怒ったり忙しいヤツだなぁ。
そんなやり取りをしていると、後ろから声を掛けられた。
「あの~」
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