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声の方向を見ると、円佳がいた。
「その娘、誰?」
藍那が不機嫌そうに尋ねてくる。
「うちのクラスの転校生」
「ふ~ん、それでなんの用よ?」
嫌そうな態度を露骨に出しながら、喋りかける。
円佳は少し戸惑った表情をしながらも言った。
「えっと、肇さんと一緒にお昼食べようと思って」
更に藍那の機嫌が悪くなるのが、目に見えて分かった。
「なんですって!?」
「残念だけど、肇は私と食べるの!」
かなり強い口調で言い放つ。
しかし、円佳も負けずと食い下がる。
「なんでですか!?私が一緒に食べるんです」
二人の間に火花が走る。
うわぁ、マジで恐い!
背中に龍と虎が見えるよ……。
しばらく言い争いが続くも、話は平行線のまま纏まる様子はなかった。
「仕方ありません……」
そう言うとおもむろに眼鏡に手を掛ける。
ま、まさか!?
「我と主、どちらが肇に相応しいか拳で決めようぞ!」
眼鏡を外し、拳を握り締めていた。
やっぱり!
殺意の波動に目覚めてるし!!
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