ボク少女ってある意味反則じゃないか

2/11
前へ
/168ページ
次へ
あれからというもの、昼休みのバトルは恒例となっていた。 「せいっ!」 「とりゃぁ!!」 二人の掛け声が響く。 飽きもせず毎日よくやるよ。 そんな二人を眺めながら、昼飯を食べるのが日課となっていた。 しばらく眺めていると、二人の動きが止まりこちらへやってくる。 「今日も引き分けね」 「その様ですね」 そう言いながら、オレの両脇に腰を降ろした。 「はい、二人ともお茶どうぞ」 オレは二人にお茶を差し出す。 「ありがと」 「ありがとうございます」 そう言いながら、二人はお弁当を食べ始める。 「円佳、そのオカズ美味しそうじゃない!一個頂戴」 「良いですよ~、その卵焼きと交換なら」 ……こいつら仲が良いのか悪いのか? さっきまでの死闘が嘘のようだ。 もしかして、拳を通して友情でも目覚めたのか? いや、友情って言うよりは【強敵と書いて友と読む】ってのが正しいだろう。 そんな和気あいあいと食べている二人を眺めながら、オレは呟いた。 「ん~、平和だ」
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

813人が本棚に入れています
本棚に追加