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「ほらミルカ、こっちにおいでよ」
君は、ヒラヒラのドレスを草花と共に風に舞わせながら、クルクルと踊っていた
その日は風が強くて
本当に強くて
身体の小さな君は、今にも吹き飛んでしまいそうだった
「姫様、危ないですよ
風も強いですから、気を付けて下さい」
ああ、本当に
この強い風に、どこか遠くに飛ばされてしまいそうだ
それでも君は、無邪気な無邪気な笑顔を見せた
まるで子供の様な笑顔に、僕は少し顔を綻ばせてしまった
……いけない
もっと気を張り積めないと……
大切な使命が果たせなくなってしまう
命に代えても守らなくてはいけない使命………
「あ……!」
突然、今日一番強い風が吹き、君の帽子を拐った
君の髪の毛が、風に大きく波打っていた
それはまるで…
まるで…
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