🍀YUMEモノガタリ🍀

私を抱きかかえたまま『彼』はフワリ…と地面に降りた　一度も視線を合わせない『彼』に　何故、貴方なら助ける事ができるのに、それをしないのか… 　私は『彼』を責めた　ふと…『彼』は振り向き、その深い緑色の瞳で私を見つめた　 …………… 　次に気付いたとき私は『彼』になっていた… いや、正確には彼の身体に『私』と『彼』の意識が混在していた　そして私は『彼』の身体を、あたりまえのように動かす… 　軽く地面を蹴るそのまま一気に建物上空へと飛び上がる　空中に静止したまま辺りを見回し先ほど自分がいた建物をめざす… 　 …昔、読んだ漫画みたいだ…と思った… 　建物の中にはさっきまで一緒だった人達は、いなくなっていた… 何かあった跡すらなく… 　『彼』(私)は炎が舞う通路を歩き出した… 　時折、炎が襲ってきたが、何故か身体に触れる前に消えてしまった　『彼』(私)には恐怖心が全くなく、燃え盛る炎と崩れゆく建物の中を何かを探すように歩いて行った… 　　

/9ページ

最初のコメントを投稿しよう！

3人が本棚に入れています

本棚に追加

広告非表示！エブリスタEXはこちら>>