プロローグ引き継ぐ者

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「夢!綺麗なロケットだなぁ 夢を危険から必ず守ってくれる大事なお守りだから何時も肌から外しちゃ駄目だよ」 優しい眼差しの楽が最愛の娘と約束の指切りをした 「僕を守ってくれる大事なお守り外さないよ!約束する」 今日は無事にここ迄育った娘の成長を見て貰う為一人のダンピール(ヴァンパイア)と会う日なの 「夢!叔父様にチャンとご挨拶してね!僕ッテ言っちゃ駄目よ!それからロケットを見て貰うの」 沙希と同じ模様のロケットを夢が持つなんて不思議… あたしの勘は今迄外れた事がない だからきっと彼が現れる…… 微かに懐かしい煙草の匂いがした 脳裏にマルボロの赤い唇のパッケージが浮かびあがった 又一本煙草に火を着けた彼が近づく 「よお!」 男がふいに声を掛けて来た 真琴が涙声で返答する 「やっぱり貴方だったのね…」 楽が真琴がたった今懐かしい彼と再開を果たした 夢がどことなく挑戦的な瞳で見つめる その小さな手の平に収められた輝くロケットに見覚えのある模様を見つけると少女の瞳に懐かしい彼女の面影をだぶらせる ふいに随分と失われていたかつての光が再び彼の瞳で輝き始めた 「俺はダンピールの聡だ!宜しくな!おちびちゃん!」    
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