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「おおアル!速かったな、ついさっき連絡が行ったばかりだろう?
流石に《光と闇の閃光》だな」
「ふぅ、『速かったな』じゃねーよ!ラース、そんな事言う前にもっと速く連絡が来るようにしろよ!」
先程の少年が中年の男と話している。少年の名はアル、男はラースと言うらしい。
「仕方ないだろ……、魔族がいつどこに現れるかわからないから、支部で発見したらすぐに連絡が来るようにしてるけど、それでもタイムラグがあるんだからさ……」
そんな事はアルもわかっていたが、それでも言わないと憤りが収まらない。
「はぁ……、じゃあ金はいつもどうり一割は部屋に、後は「戦死者の家族と兵士、後は支部に、だろ」……そうだ」
あまり無い任務とは言え、毎回毎回同じ事を言っていれば誰だって覚えるって、
そう思いながらラースは話題を変えるように話し始めた。
「それは置いといて、覚えているか?アル」
「何をだ?」
「やはり忘れていたか……、
アル、お前がギルドに入る時16歳になったらミヒティルト学園に入学させると言ってあっただろう」
「流石にそんな前の事忘れたって……、
今日が3月の22日だからあと10日か…どうしても行かなきゃダメか?」
「当然だ。それにギルド最強の《光と闇の閃光》ともあろう者が、学園に行ってないなんて部下に知れたら威厳も何も無くなるだろ?、ってのは建て前でそろそろあの封印を解こうと思う」
その瞬間、アルの表情が変わった。
「本当か!……でも学園に行く必要性は無いんじゃ?
それに任務だってあるだろ?」
「少し問題があってな、それにあいつらとも慣れる必要があるだろ?
任務なら心配するな、必要なら呼ぶし他の新人育成のちょうどいい機会だな」
「魔力は抑えればいいとして、
なんか用意するものとかある?」
{魔力は自分の意思で生命エネルギーから変換するので抑えようと、思えば抑えられる}
「いや、必要な物は学園に送っておいた。
入学式が終わったら封印を解くぞ、分かったな」
「分かった」
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