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そんな事を考えながら歩いて行くと、体育館のような場所に誘導された。
どうやらクラス分けは式のあとに行われるようだ。
生徒達は勝手に座って雑談を楽しんでいるようだが、多少は緊張しているようでその声はやや耳障りな程度に収まっている。アルは比較的早く来たつもりだったが、席は八割近く埋まっており、仕方ないので比較的空いている後ろの席に座り、式の開始を待った。
10分程たっただろうか、いつもなら任務の時以外は眠っている時間帯のため、睡魔が襲いかかって来る、式の開始時刻にはまだ余裕があるため、多少は眠っても大丈夫だろうか、いや、止めておこう、下手をすると式が始まる、もしくは式の終わりまで眠り込んでしまうかもしれない。
更に数10分程経ったのだろう。結局アルは睡魔に負け、眠りに落ちてしまった。
なにやら当たりが騒がしいので目を覚ましたが、どうやら式の開始時刻になっても式が始まらないらしい。と言っても、数分の遅れだが。
突然、そう突然にそれは起こった。
演壇に魔法陣が展開し、その上に白い直径二メートル程はある球体が現れた。会場にいる全生徒がそれを見つめと同時にそれは乾いた音と眩しい閃光を放ち破裂する。
殆どの生徒は目を伏せる中、アルを含むそれの正体に気ずいた生徒は壇上に目をやった。
教壇には二つの人影があった。二人とも男性のようだが、一人は優男とでも表現するべきか、もう一人は対照的で少々堅物な雰囲気を纏っている。
アルは、二人目の人物に面識があったが、相手には自分の顔を見せていないため、相手が気ずくのはだいぶ後だろうと予感する。
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