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「はじめまして、新入生の皆さん。
私はこの学園の園長、ユーリです。まずは、先程の事をお詫びいたします」
そう言ったのは、優男だった。いや、園長のユーリと言ったか、もう一人は一歩下がった所で無表情で黙っている。彼女の場合はその方がいいだろう。
この後の話は聞いていてもつまらない物だった。どうしたらこんな内容の無い事を長時間話す事が出来るのか、アルにはとても無理な能力だった。
もう一時間は経っただろうか、そう思い時計を見るとまだ数十分しか経っていない。こんな時の時間は異様に長く感じる。
やっとユーリの話が終わり、彼女の紹介に入った。
「私は、学年主任のレアだ」
五秒、も掛からなかったか、今までの話から比べれば瞬間的と呼べるまでに簡潔でシンプルな自己紹介。ユーリは慣れているのか特に反応は無いが生徒は驚いている。
その後も式は滞りなく進み、式の開始から二時間半後に予定どうり終了した。
クラス分けは式の終了から間髪入れずに始まった。
さて、そろそろ自分の番だが魔力量はどうしようか、最初の生徒は2500でBクラスだった事から、この学園のレベルの高さを窺える。
まあ、魔力量だけが強さと言うわけではないが、魔力があると無いとではかなりの差がある。
まあ2000程にしておこうか、大体Cクラスになるはずだ。
属性は火と風が妥当だろう。
「次、アルフォード・カーティス!」
適当に返事をして水晶玉の前に行き、手に精神を集中させ、体の中の極一部のエネルギーを魔力に変換して放出する。
そして、水晶が赤と緑に光り、そして数字が表示される。とでも意外な結果だったが、修行不足か……。
「属性は火と風か、期待できるな。さて、量は……1000!?
……残念だが君はEクラスだ」
最近繊細な魔力コントロールを怠っていたからな……、少し後悔したが、仕方ないと思い、これからの課題とする事にする。
クラスが決まった者からクラスに行くと言うシステムのため、アルも足早にEクラスに向かった。
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