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「さ、ご飯にしよ?零也くんはこのミニコンロを机に置いてきてくれる?」
「あ、はい」
受け取って、僕は机に向かった。
「七海、ごはんだよ」
「うんー…。七海、お皿持ってくるー…!」
ててっと走る七海を見送って僕は録画になっているのを確認してテレビを消した。うちでは基本的に食事中はテレビ禁止となっている。七海もこれには納得している。
「準備できたね!じゃあ食べよう。座って座って!」
既に席についてみんなの分をよそっている散葉さん。僕と違っていつも手際がいい。
散葉さんがどこからか貰ってきた大きめの四人掛けソファーに座って、お皿を受け取る。いつも僕を挟んで二人が座る形で食事をするのだ。たまに向かいに散葉さんが座ったりするけど鍋物のときはいつもこう。
「それじゃあ、いっただっきまーす!」
「いただきます」
「いただきますー…!」
一家そろって食物への感謝を告げてから箸を動かし始める。溶き卵もいつのまにか用意されている。本当に手際がいい。
「美味しいです…本当に散葉さんはお料理が上手ですよね」
「ママ上手ー…!」
「そうかなぁー?えへへ、だったらよかったぁ。お肉、良さそうなの選んだからもっと食べて食べて」
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