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「パスポートないから外国とかは駄目ですし…んー…」
「やっぱりあんまないよね。最近はずっとここにいたから発想が貧困になってるのかな」
「七海、どこでもいいよー…?」
野菜を咀嚼しながら考えを巡らせる僕と散葉さん。このまま平行線を辿るかと思われたのだけど───。
ピンポーン
「あれ?誰か来たね。私出てくるよ」
「お願いします」
誰だろう。咲夜さんだったらインターホンなんて鳴らさないから晴さんか政基くんとかかもしれない。
「って晴さんだったら大変だ!」
散葉さんは未だに晴さんを見ると条件反射で殴りかかってしまう。ほっといたら死んじゃう!
慌てて駆け出したところで。
「あ、どうしたんだよ零也?そんなに慌てて」
「政基くんか…よかったぁ…」
「晴かと思ったんでしょ?ふふっ、急がなくてもいいのに」
「え?やっと許したんですか?」
「ううん?零也くんが急ごうがなにをしようが、止められる前に一発当てるもん」
「そういうことですか」
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