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「銀、君は何故僕に食べ物を与えないんだい?」
相変わらず夜の夜中に人の屋根上にやってきた兎は問い掛ける。
「テメェにやるメシはねえッ」
その図々しさに苦笑しながら俺がそう言えば神威は
「えー…」
っと、残念そうにこちらを見るが無視して屋根の上に寝転んだ。
それを神威は不思議そうに見て
「警戒心ゼロだねえ」
っと、クスクス笑う。
「…オメーは不意打ちとかするタイプじゃねえしいいだろーが」
俺がそう言えば神威は一瞬キョトンッとするが
「君はおかしいネ」
相変わらずそう言って笑う。
俺は夜空を見てゆっくりと目をつむる。
奴の微かな血の臭いに、何処か安心する自分が嫌だ。
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