花火

3/4
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「銀、君は何故僕に食べ物を与えないんだい?」 相変わらず夜の夜中に人の屋根上にやってきた兎は問い掛ける。 「テメェにやるメシはねえッ」 その図々しさに苦笑しながら俺がそう言えば神威は 「えー…」 っと、残念そうにこちらを見るが無視して屋根の上に寝転んだ。 それを神威は不思議そうに見て 「警戒心ゼロだねえ」 っと、クスクス笑う。 「…オメーは不意打ちとかするタイプじゃねえしいいだろーが」 俺がそう言えば神威は一瞬キョトンッとするが 「君はおかしいネ」 相変わらずそう言って笑う。 俺は夜空を見てゆっくりと目をつむる。 奴の微かな血の臭いに、何処か安心する自分が嫌だ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!