花火

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赤い月かと一瞬思った。 赤い瞳だったことに今気付いた。 「うお…ビビった…」 居眠りをしてしまっていたらしい。 神威が俺をジッ…と、見ていた。 「なんだ…死んだと思ったネ」 小さく呟けば、相変わらず笑みを浮かべる。 俺はおもむろに手を伸ばし、神威の頭を撫でた。 「…なんだい?」 不思議そうに首を傾げそう問い掛ける神威を見て 「兎は寂しいと死ぬらしいからな」 っと、笑った。 神威は少し拗ねたように 「俺はそんな弱っちぃ奴じゃないよ」 っと、言ったが手を振り払わない神威が少しおかしくて笑った。 ある日問い掛けた。 「なんでオメー、此所にいんだ…?」 奴は笑いながら言った。 「空に咲く、花が見たい」 そういや来週は、花火大会だ…。
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