出会い

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 ★  ★  ★ 時は流れ、木曜日。 1年の教室でいつもの様に叫ぶ声が響く。 「おぉいテルーバっ! 宿題見せてくれっ!」 聞き覚えのあるセリフだ。 なんて、今更言うつもりも無い。 高校に入ってから、いや、こいつにとって、学校に間に合った日はこう言う決まりなのではなかろうか。 と、思わせるくらい、こいつは毎度のこと言っているのだ。 「いやだ」 この受け答えもいつものこと。 「お願いしますよ~。テルーバさ~ん」 机に手を付いて、まるで土下座するように頭を下げる。 俺は、それを制するように手を出して、言う。
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