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「では、行ってきます」
「うんっ……行ってらっしゃい凜ちゃん!」
* * *
「凜さん、こちらですよ」
「あ、はい!」
凜と沖田は長い板張りの廊下を若干急ぎ足で歩いていた。
庭には大きな木があったり、池があったりと、とても綺麗だ。
そんな中、ほのかに香る檜の匂いが何ともいえない和の空間を作り出している。
とても落ち着く空気が二人を包む。
───…と突然、前を歩いていた沖田がひとつの部屋の前で止まった。
「やっと着きました!
此所が土方さんの部屋ですよ。
───…土方さぁーん!入いっちゃいまーっす!!」
「(勝手に入っちゃったよ沖田さんー!?良いんですか!?)」
凜は心の中で盛大に突っ込みを入れる。
一方、沖田は部屋の主である土方の返事も待たずににこやかにズカズカ部屋に入って行く。
そして、机の上に俯せになっているモノを見つける。
「あれぇー?
───…寝ちゃってますね。」
そう言うと同時に目が細くなり口角をつり上げ悪戯っ子の顔に豹変した。
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