第三話【疑ワレシ蝶】

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「兎にも角にも行けば問題はありませんよ」 「(いや……有ると思いますけど……)」 「………では凜さん、行きましょうか」 「───……へっ?」 「もぉー!  先程行ったじゃありませんか!  土方さんは凜さんに用が有るんですよ?」 「嗚呼……そうでしたね、  私もド忘れしちゃっていました」 そうだ…─── 私は疑いをかけられているんだった。 此所では私はまだ危険人物。 凜は背中の傷と、たまに痛む右手の古傷を庇いながらゆっくりと起き上がる。 「なぁー、総司……土方さんは何でわざわざ凜ちゃんを呼び出す訳?結構な大怪我してんだから土方さんの方から来れば良いのに……」 「きっと他には聞かれたくない事かも知れません。  それに、この怪我なら平気です!  気遣って下さり有り難う御座います」 「凜ちゃん……」 これ以上藤堂を心配させたくない、不安なさせたくない…───。何故だかそう思い、凜はなるべく最大の笑みで言った。  
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