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「兎にも角にも行けば問題はありませんよ」
「(いや……有ると思いますけど……)」
「………では凜さん、行きましょうか」
「───……へっ?」
「もぉー!
先程行ったじゃありませんか!
土方さんは凜さんに用が有るんですよ?」
「嗚呼……そうでしたね、
私もド忘れしちゃっていました」
そうだ…───
私は疑いをかけられているんだった。
此所では私はまだ危険人物。
凜は背中の傷と、たまに痛む右手の古傷を庇いながらゆっくりと起き上がる。
「なぁー、総司……土方さんは何でわざわざ凜ちゃんを呼び出す訳?結構な大怪我してんだから土方さんの方から来れば良いのに……」
「きっと他には聞かれたくない事かも知れません。
それに、この怪我なら平気です!
気遣って下さり有り難う御座います」
「凜ちゃん……」
これ以上藤堂を心配させたくない、不安なさせたくない…───。何故だかそう思い、凜はなるべく最大の笑みで言った。
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