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ロッカーに戻ると既にヒデは着替え終わっていた。
大丈夫か?とたずねると、代わりに「今から病院に連れて行く」と森川ドクターが険しい顔で答えた。
トルシエが望むヒデを外した布陣になるかも知れない―。嫌な予感がした。
「大丈夫かヒデ?」中山が心配そうに声を掛ける。
ゴンさんよりは若いからね、大丈夫だよ。なんて冗談を言いながらヒデがドアを開けて出ていった。
「今日のゲームは素晴らしいよ。歴史を作ったよ」ダバディがトルシエの話を興奮しながら訳す。
雨に濡れた体をケアしながら選手はトルシエの話に耳を傾ける。時折拍手や日本コールがロッカーに響き渡り、良い雰囲気で帰り支度が進んでいた。
良いムード終わろうとした時、トルシエが空気をぶち壊した。
次は中田は出ない、各自準備しておくように!
今、言うことではない。
トルシエをぶん殴ってやろうかと思った。
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