終わらないトルコ戦

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意味がわからない。 W杯直前のコスタリカ戦で、練習でもやったことがない4バックをやったことがあったが、その時は服部と波戸というサイドバックをこなせる選手がいたのでなんとか形になった。 しかし今のメンバーで4バックというのはかなり無理がある。それでも明神を右サイドバックに下げて、中田浩二を左にずらす4バックならまだ出来る気はする。 しかし戸田を下げる?どういう組み合わせになるのかまったくわからなかった。 トルシエにどうするのか確認すると、「右から松田、宮本、戸田、浩二。ボランチはヒデと明神でその前に小野と森島の4-2-2-2だ!」 そんなの無理だ!狂ってる! サミアがトルシエに食って掛かる。しかしトルシエはうるさい、早く訳して伝えろ!とダバディに叫んでいる。 もう無理だ。 私はトルシエを信じるしかなかった。 トルシエはこの場に及んで、まだ自分の力でチームを勝たせたという結果が欲しいのだ。 呆れた。 私は秋田に「今から4バックをやるらしい。大丈夫かな」と苦笑いで話し掛けた。 すると、そんな顔してどうすんだよ!まだ引き分けだろ、試合を見ろよ!と川口に怒鳴られた。 そうだ、まだ試合中なんだ。4バックでどうすればいいのか最善の策を練ろう。 宮本に、ラインの上げ下げよりもセーフティに行くことを考えろ、松田はあまり中に絞らせるな。と伝えた。 延長戦にハーフタイムはない。あとは選手達でやってもらうしかなかった。 しかし4バックになって意外にも良くなった点もあった。
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