終わらないトルコ戦

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宮城スタジアムの歓声は鳴りやまない。気がつくと雨が上がっていた。雲の隙間から夕陽が差し込んでいる。 稲本が、ゴンが、曽ヶ端が裸で踊っている。 森島はもみくちゃにされ、小さい体がますます小さく見える。 お祭り騒ぎだ。 ペットボトルの水を掛け合い、シャツを振り回して喜びを表現している。 凄いことをやってのけた。少しずつ現実に戻ってきた。そして再び燃え上がるような喜びが胸をかきむしる。 宮本は座り込むトルコの選手達にひとりひとり話しかけている。お前達の分も頑張るからな、そう言っているのだろう。 宮本は若いのに立派だな。そんなことを思っていると、後ろからヒデに話しかけられた。 「山本さん、先に戻ってていい?」 足首の状態が悪いんだろう。早めの治療は重要なので森川ドクターを呼び、先にロッカールームに戻らせた。 スタジアムをぐるっと一周回りサポーターに挨拶する。 360度、見渡しても全ての人が笑っている。その中にトルコサポーターの固まりを見つけた。泣いている人、肩を落とす人、何か叫んでいる人。それを日本のサポーターがなだめている。 トルコの分も頑張らないとな。 素直にそう思えた。
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