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第ニ幕 1
工房都市ツァイス。そこはリベールで一、ニを争うほど導力器(オーブメント)が発展した都市だった。
ロレントと違い緑が少なく人々はみな、より良い導力器(オーブメント)を開発するために日夜研究を欠かさない街。リベールには珍しいエレベーターやエスカレーターが設置されているのもこの街だけだった。
導力灯が落とされることのないこの街は夜でも明るい。そのために三年ほど前の『導力停止事件』の時の傷跡が一番酷い街でもあった。
今でこそ元のように生活をしている市民たちだが、その頃を知っているもの達がそこを通ったならば誰もが「よくここまで復帰したものだ」とつぶやいただろう。それだけ人々に絶望を与えていたのだ、あの『導力停止事件』は。
それはエステルたちも同じだった。
「わぁ、もうほとんど前と変わらないわね」
「そうだね。と言うよりも、以前より活気があるように思えるよ」
エステル同様ヨシュアもそんな光景を見て眩しそうに目を細めていた。
彼らは今この街に来ていた。
理由は三日前にさかのぼる。
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