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しかしこれはすぐに解決案がでた。それはアイナの言葉だった。
「王都に降りないという条件ならば、ロレントからツァイス行きの飛行船に乗る許可を出してもいいと私は思うわ。ただし、二人以上の遊撃士同伴は確実ですけどね」
この言葉にレンは喜んだ。エステルとヨシュアならば気づいたであろう小さな喜び方ではあったが。
遊撃士同伴はエステルたちがいるのだからすでにパスしたも同然である。
そんな少女にアイナは二通の手紙を渡した。一通は飛行船に乗ることができる許可証だった。もう一通には厳重に封がされていて中も見えない。
「お姉さん、これは?」
「それはね、決して開けずにある人に渡してね」
真剣な表情でアイナが言うので、レンも思わず相手を見すえる瞳が真剣になる。
「ある人ってだれ?」
当然の疑問にアイナは首を横に振った。
「それは私からは言えないわ。代わりに言えるのは、その手紙を後四通集めて欲しいの。それぞれの都市に一通ずつ。誰が持っているかは彼方ならわかると思うわ。そしていずれ最後に誰に渡せばいいのかも彼方ならわかるはずよ」
「あと四通・・・・・・」
その言葉の意味を図りかねないまでもレンはやるしかないのだと心のどこかで知っていた。
そしてその話は誰にもエステルにすら伝えなかったのだった。
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